SAGレポート

声優部基礎科修了発表会レポート

3月26日(土)・27日(日)にSAG声優部基礎科の修了発表会が行われました。
声優部基礎科は3クラスあるので、1クラス2チームの全6公演。
劇団ペルシャ・シャム・メインクーン・ロシアンブルー・ラグドール・スコティッシュに分かれて、のらネコたちが主人公のストーリーをそれぞれの個性を生かした演目に変え、会場を沸かしました。楽しい歌とダンスで観客を笑顔にし、最後はせつないシーンで胸を熱くさせる…そんな素敵なネコたちの物語を見事に演じきった基礎科のみなさま、本当にお疲れ様でした。SAGを卒業する生徒、SAGの本科へ進む生徒。進路は様々ですが、4月からの新しいスタートに向けての大きな活力となることでしょう。
今回は、主役のネコと男義あふれるネコを演じたそれぞれのグループのキャストに感想を書いてもらいました。

生徒感想

猪野和真

男義あふれるネコを演じた猪野和真です。公演は終わってしまいましたが、まだまだやり足りないという思いに取り憑かれています。
演じている最中はベストを尽くせていた気になっていました。
ですが思い返すたびに歌でも踊りでも台詞でも『もっとやれたはず』という思いがムクムクと湧き上がってくるのです。
きっと演じる中でつけられた動きに慣れてしまって、知らず知らずのうちにエネルギーをセーブしていたのでしょう、アホの極みですね。アホだからこの役に選ばれたのかもしれませんが。
そうですよ!このキャラクターと僕自身はあまり共通項が無いんですよね!
こいつはガラが悪くてすぐ何にでも文句をつけるような奴なんですが、温厚篤実でノーブルな雰囲気を湛えた僕とは似ても似つかない。
本当にアホでテキトーなとこしか共通項が見当たりませんや! 今回、公演に漕ぎ着けるまでに様々な事を思い知りました。
体調管理というものがいかに大切か、チームで一つの作品を作り上げるというのはどういうことか、愛ってなんだとか。
まぁ最後のはテキトーですけども。
しかし皆でぶつかり合ったぶん、磨き上げられたニャンコ達になったのではないかと思います

籾山晴香

この公演を終え学んだことは「調子にのらない」「芝居に向き合う謙虚な気持ち」でした。修了発表会の演目が決定した時、何がなんでも主役をやる!と決心し必死に練習しました。しかし本当に主役に決まったことで、私は「芝居に向き合う謙虚さ」よりも「自分が主役」という傲慢な気持ちが前にでてしまいました。芝居は一人では出来ません。他の役者たちが、見てくださるお客様が、指導して下さる先生が居て初めて自分が演じる役が存在できることを知りました。支えてくれたBクラスは真剣に芝居に向き合い、意見を交わし、良いものを造ろう!と一生懸命な仲間達でした。演技指導をして下さった先生方、Bクラスのみんな、事務局の方本当にありがとうございました。これからも「謙虚な気持ち」を忘れずに芝居を続けていきます。

中野真希

この公演を通して感じたことは、人と関わることの難しさと大切さです。

役柄的には皆を引っ張っていくポジションでしたが、現実には私が皆に助けられて、引っ張ってもらって、本番を迎えることが出来ました。
それは直接的に助けてくれた人だけではなく、私の場合は『シャム』チーム一人ひとりの存在やがんばりに助けられ、支えられていたなと思います。
私は『シャム』 のメンバーで舞台に立ててとても楽しかったです。

そして『ラグドール』あっての『シャム』だったと思うし、これまで関わった人全ての存在がちょっとずつ影響しあって、今回の私たちの公演が出来上がったのだと思います。
それだけに人というのはすごく大切で、雑にしてはいけないものなのだなと感じました。

震災で大変な中見に来てくださったお客様、ご指導いただいた先生方、陰で支えてくださった事務局の皆様、一緒に板に立った皆、関わってくれた全ての人たちに感謝を伝えたいです。ありがとうございました。
舞台の上には人間関係が出る。芝居には人間性がでる。
これが果たして良いことなのかどうかわかりませんが、これが私たちの現状だと思います。
だからこそ自分自身を磨いていかなければならないと思いました。

小林恵梨奈

この舞台は、半年かけて創った舞台です。でも、基礎科の1年間はこの為にあったのではないかと思ってしまうくらい、舞台稽古をしながら基礎の大切さを実感しました。
私の役は主役。役が発表されたとき、一番自分にはないと思っていた役だったので本気で驚きました。
どんな役もこなしてこそ役者だとは思いつつも、自分にはない性格の役なのでなかなかキャラが掴めず、やってる「つもり」の演技をしてばかりでした。
私が悩んで落ち込んでどうしていいか分からなくなっていたとき、クラスのみんなにとても助けられ、仲間の大切さを実感しました。
うちのクラスは人数も多くほとんどWキャストだったので、同じ役の子の演技を見ながら考えさせられることも多かったと思います。
1人1人、舞台に対する気持ちや意識の差は必ずあります。その為にいざこざも起きました。
それでも舞台を1本創ることが出来たのは、芝居をやりたいと思う気持ちを全員が持っていたからだと思います。
技術面以外での自分の課題も見つかったので、この経験を今後に生かしていきたいと思います。
この舞台に関わった全ての人に…
「ありがとうございました!」

新川昇平

今回の発表会は僕にとって初めての舞台でした。とても楽しかった!
しかし、相手に言葉を届けよう、テンションを高く!と精一杯やっているつもりでも実際は全然パワーが出ていなかったり何を言っているのか全然わからなかったりと、1年前から先生がおっしゃってきた「基礎」というものに、発表会が終わった今打ちのめされています。
「もっとやれた」とは言うけれど稽古からゲネに至るまでずっと「できているつもり」だったり「できていない」ことを教えていただいてきたなぁと反省でございます。
観てくれる方に伝えるために、楽しんでもらうために―課題は山積みです・・・。
またチームで芝居を作る、とういことも教わりました。
夜クラスは人も多いし昼間働いているひともいて、最初はクラス全体で全然集まれませんでした。
「ひとりひとりが頑張ればいい」なんて僕は思っていたけど、結局クラスが動き出したのはチームだったりクラスで集まる時間が増えたり、それに伴ってクラス内の会話が活発になってからでした。
ひとりで芝居は作れないということ、コミュニケーションは大事。あたりまえのことだけど、実際に理解するのにすごい時間がかかってしまったなぁと思います。
この舞台を発表できたことをとてもうれしく思います。先生方、事務局の方々、クラスのみんな、そして発表を観てくださったみなさま、本当にありがとうございました!

藤井沙織

キャストが発表された日、嬉しさと不安で泣いた自分から、少しは成長できたのだろうか。
演じたかった主役。しかし実際レッスンを重ねていくうちに現実問題がボロボロと出てき、それらに何度も押し潰されそうになった。
伝わらない言葉、それに歌にダンス。全て基礎の基礎があってからの表現なんだと、力不足と一つの役を努めるという責任を実感した。
やりたいというからには、気持ちとそれ相応の力をもっと蓄えて、次へ向かいたいと思った。
これらの他に、もう一つ大きく感じたことがある。それは仲間の存在だ。
苦しくても笑って公演を終えることができたのは、Aクラスのお兄さんお姉さん達の一つ一つの言動に支えられたからだ。
「ふじ子(あだ名です)が演じるネコが一番好きだよ。」その一言で私は自信を持って舞台に立てた。
リフトされるからと、いつも食べていた唐揚げを控えてダイエットをしてくれた。
辛い出来事も、一緒に受け止め乗り越えた。

もちろんAクラス以外にも、先生方や事務局の方、SAG生の方、家族や友人と、言い出したら切りがない位…
あぶなっかしい自分に、多くの人が言葉を与えてくれたお陰で主役の猫と、藤井沙織という人間が少しずつ変わっていけたのだと思う。
厳しくも優しくそっと手を差し延べ導いてくれた周りの方々に心から感謝します。

今回の修了発表会を終えて得たもの、学んだもの、全てを活かし繋げていけるよう、これからも励んでいきたいと思う。

そしてこの度は東日本大震災で大変な状況にも拘わらず、多くの方々にお越しいただき誠にありがとうございました。












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