SAGレポート

声優部本科修了公演レポート

2013.3.29

声優部本科修了公演レポート

3月14日(木)から17日(日)の4日間、全6公演で18期声優部本科の修了公演が行われました。
この舞台をもって声優部の本科は卒業となります。

演目は地方にある自動車教習所を舞台にした群像劇「アイスクリームマン」です。

数多いキャスト、数多いシーン。役者達はそのシーンに合わせた感情表現が必要となります。演出・指導をご担当いただいた北島善紀先生が手を焼かれたであろうことは想像に難くありません。
年末から稽古に臨んで作り上げたこの作品。なんとか無事に終了することができました。
演出の北島先生、舞台監督・照明・音響のスタッフ様には改めてこの場で御礼を申し上げます。

公演を終えた本科生の感想を抜粋してお届けします。

レッスン生感想

竹中美月

声優部本科修了公演レポート

聴く見るしゃべる。
感情だけで芝居しない。
芝居はアンサンブル。
意思をもってしゃべる。
論理でしゃべる。
お客に何を提示したいか。
演出家がどう見せたいのか。

北さんが指導してくださったこと、どれも至らなくて悔しさばかりが残りました。
北さん、こんな私にも諦めず最後までご指導くださってありがとうございました。助けてくれたみんな、ありがとうございました。

本番は素晴らしい舞台セットと音と光の中で芝居ができて、幸せでした。スタッフの皆さん、芝居を素敵に彩ってくださって、ありがとうございました。最高でした!!

やっぱり芝居が好きです。これを仕事にして生きていきたい。それに気づけた松濤の2年間でした。支えてくださった事務局の皆さん、家族、友人、知人、この2年間で出会った全ての方に感謝です。この養成所を選んで良かった。本当にありがとうございました。

樋口一樹

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3公演出ただけじゃ分からんもんがある、せめて6、できれば10公演出て初めて感じる何かがある。そう修了ミーティングで演出の北さんが仰いました。
僕は幸いにも貴重なシングルキャストでした。
出来としては散々ながら、「田村正和風にやって」などの具体的なのかふわふわしてるのか、独特の演出を心底楽しんでおりました。なんせ、基礎科の修了発表では僕は幽霊役、ほとんどの人間と絡まず進んで行きます。それがどうだ、今回は誰とでも仲良くなる世話焼き男、すごい数の人と喋れます。

さて、ここで冒頭に戻ります。
いかんせん素人な僕は公演ごとにクオリティに大幅な差が出てしまいました。
微妙に間がずれる、ハプニングが起こる、などで。
そんな中日、僕は突然舞台上で頭が真っ白になりました。
普通、頭が真っ白になればパニックになるものだと思います。が、その時の僕はひどく冷静でした。
だって当たり前のことなのです。相手の台詞を聞いていれば勝手に身体が喋り出すのだから、心配する必要はないのです。

声優部本科修了公演レポート

その時、クラスメイトたちは舞台上におらず、ただ早苗や阿部という合宿所で出会った人々がいるだけでした。
頭が真っ白な僕は、彼ら彼女らの声を、表情を、必死に取り込むことで台詞を生み出しました。
北さんにそのことを言うと、「何公演も続けているとふとしたタイミングでFIXして役を演じるのではなく役を生きるという意味が分かることがある。それを毎回感じられれば素敵な役者さんになるっちゅーこと」というようなことを言われました。
その感覚がその後、現れることはなく、三枚目失格な体たらくで楽屋に戻るとみんなに「よっ、スベリ芸!」と笑われて終わった訳ですが。

僕でもあんな興奮を味わえる。一種のエクスタシーでした。
これは病み付きになりますね。こんなにおもしろいものがこの世にあるのか。
声優になる僕ですが、舞台にもまだまだ立ちたいです。
中間発表から学んだことや皆様への感謝をメールで打つのはなんだか嫌なんでこれで終わります。
SAGに入ってよかった。
みんなに会えてよかった。素直に打ち上げで言えました。
演じることは楽しい。演じる技術が身につけばもっと楽しい。
これが真理でしょう。
ではまた、どこかの現場で。

井出佳耶乃

声優部本科修了公演レポート

北島さんは言います「おじさんとコミュニケーションをとれ。先生と呼ぶな。おじさんとの間に壁を作るな」

基礎科の頃から尊敬しつつも怖い存在と思っていた私にはちょっと難しい課題でした。けれど、思い返せば4ヶ月前…
本読みの段階で私の台本の読み違いが原因で北島さんと衝突するところから「アイスクリームマン」の稽古は始まりました。
その時は自分を全否定されたようで落ち込んだし悩みもしましたが、そんな事があったからか北島さんに対して開き直って、「怖い」と思わなくなりました。
そうなってくると改めて感じるの北島さんの情熱と愛。
役者として必要な考え方、居方、感覚、沢山の事を教えていただきました。それがどれだけ反映できたか定かではありませんが、これからずっと忘れずにいたいと思います。

公演を終えて、私の中には達成感や安堵という明るい感情は残念ながら無く、これから自分がどうすれば成長出来るかという不安と焦りばかりです。
今回の公演で大きな失敗をしたとか悔いが残ったとかそういうわけではありません。ただただ自分は普通だったということです。
私のこれからの最大の課題は「安定した芝居、普通」を打破し、自分の色を見つけ私にしか出来ない芝居をすることです。

修了公演
北島さんの演出でご指導頂けてとても幸せでした。
2年間振り返って一番言えるのは、SAGを選んで良かったということです。
本当にお世話になりました。
この2年を無駄にせず、精進して参ります。
ありがとうございました!!

楡井華津稀

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遅い!

ほぼ稽古の度に言われていたのではないでしょうか。
自分が、頭の回転が悪いことは知っていましたが、焦ればもうちょっと早く動けることを教えていただけたのは、大きな財産です。

演技だけでなく、魅力的な人間、役者になるためのアドバイスをしてくれる北さん。そういうちょっとこじれたら、恨まれてしまうようなところまで踏み込んできてくださるんですよね。
ものすごーく気を使って、気を使ってないフリを全力でしているところ、とても尊敬しています。
なんで本番一週間前あたりから、泣きながら稽古してるの?とか、普通に聞いてくれたり。刺激的で、楽しくて、本当に感謝しています。
あと、水野を北さんがやって下さったとき、芝居しようとしなくても、体が勝手に芝居をしていて、本当にこんなことできるんだと、衝撃でした。

北さんに出会えたこと自体が、財産です。ありがとうございました。
また、お芝居を一緒に作りたいです。
それまでに、たくさんの知識と、エネルギーを備えておきます。

榎谷菜々子

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二年間が終わりました。あっという間でした。

私は、私たちは、二年間の成果をお見せすることができただろうか。お客様はじめ、貴重なお時間を頂いただけのものがお届けできただろうか。そのことばかりが頭を占めます。

中間発表の感想文で、私は

今回の発表会で、やはり「演ずることは楽しい!」という思いが強まりました。「演じることが身につけばもっと楽しい!」ということも。それまでは辛くしんどいものではありますが、舞台に立てばそんなものは吹き飛びます。舞台が終われば、きっともっとできたはずだという思いが沸き上がります。
次は修了公演。またあの思いをしないために、そしてまたあの思いをするために稽古したいと思います。

と書きましたが、今回も同じです。
しかし、この思いがあるからこそ、まだ私は成長できる。そう信じています。

声優部本科修了公演レポート

今回は、より「お客様が見たときどう見えるか」を考えさせられた公演でした。そして北島さんの代名詞(?)、「ちゃんと見る」「ちゃんと聞く」「ちゃんとしゃべる」が如何にできていないか。
日常生活では意識せずにやっているはずなのに、舞台に上がったとたんに一人きりになってしまう。正直、共演者と「ちゃんと話せていたか」は分かりません。
しかし、その自覚ができたのは、自分の中で大きな一歩だと思います。

北島さんは基礎科の初めてのレッスンで、「私は何故役者(声優)を目指すのか」という作文を提出させました。あの時、あの作文を書くように言って頂いたこと、今本当に感謝しています。
自分はその中で『名前を覚えてもらえなくていい、何年か先、「あのキャラやってた人だよね」と言ってもらえるような役者になりたい。』と書きました。
終演後伝え聞いた話ですが、お客様から「富姫やってた人だよね」「あの人の声がすごく好き」(多少の美化はご容赦ください)とのお言葉を頂いたそうです。まだ半年も経っていませんが、目指す姿に近づけたようで、涙が出るほど嬉しかったです。

これも一重に中間発表演出の佐藤さん、修了公演演出の北島さん、そして支えて下さった方々のおかげです。
言葉を信じろ、仲間を信じろ・思いやれ。支えていること、支えられていること。
この二年間の経験、出会いは私の財産です。

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