SAGレポート

声優部本科 修了公演『わが闇』

2016.4.20

声優部本科 修了公演『わが闇』

平成28年3月10日(木)から13日(日)の4日間、松濤アクターズギムナジウム地下1階OMEGA TOKYOにて声優部本科の修了公演が行われました。

全6公演、1公演約2時間半の超大作です。
題材は、ケラリーノサンドロヴィッチ作『わが闇』。
小説家である柏木伸彦の3人娘、立子・艶子・類子を中心に、登場人物それぞれの「闇」を描いたこの作品。
眼の病気、夫婦問題、芸能スキャンダル、借金・・・抱える「闇」は実に様々ですが、最終的に彼らがどうなったのか?この物語には描かれておらず、次のような言葉で締めくくられています。
「大切なのは、この人達が、これから先も生きていったってこと―――。」

この公演をもって声優部本科は修了となります。
卒所後の進路はそれぞれ違いますが、SAGで過ごした日々がみんなのこれからに繋がることを願っています。

レッスン生コメント

北崎 仁美

今回修了公演をやるにあたって、最初にやることは「今までの自分に革命を起こす事だ」と演出の北島さんは言いました。

私達が松濤で学んだ二年間は、ただ生徒としてレッスンを受けてきただけではないのか? お芝居が好きでこの場にいるはずなのに、講師の方々に私はなにを「提示」してきたんだろうと思いました。

舞台やお芝居の稽古は「声優になるための過程」だと思って受けていました。声優を目指しているということで逃げていたことに今更ながら気づいたのです。
舞台に立つ機会では「声優を目指している人」ではなく「舞台役者」でなければいけない。落語のレッスンでは「落語家」でなくてはならない。
「声優を目指している私」ということで、レッスンや舞台に取り組んでいたことに気づき、恥ずかしくなってしまいました。

本気で舞台役者、落語家、などの意識で挑んだ時に、将来の「声優」としてとてつもなく大きなものを得られた気がします。だから、今回の修了公演は舞台役者として生きました。
その意識になったら、見えてくるものが多く、声優としての幅が広がっていたことを実感したのです。

修了公演を終えて、これからはプロとしてやっていきますが、この経験を生かして日々精進して参ります。

ありがとうございました!!!

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増井 佑香里

修了公演を一言で言うと、「怒濤」ですね。あっという間に終わる日々で、時間も足りなく、思えば中間公演時よりも稽古漬けな日々でした。

基礎科での修了公演は「内面から溢れるもの重視」で心の動きに繊細な芝居というものを教わったのですが、今回言われたのは「シンプルな演技はわかりやすい」ということ。嬉しいなら嬉しい、悲しいなら悲しいを出せば良い。台詞を己で捏ねくりまわすのではなく、台本に載っている台詞を信じて表せばいい。

難しく考えていたけど意外と簡単な、簡単だけどそれに悩みやっぱり難しかったです(笑)

怒濤すぎて自分に何が残ったのか、私にはわかりません。ただ、あの本の人物達がこれからも生きていったということが、観てくださったお客さんの心に残れば私は満足です。

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佐々木 雄太郎

人を信頼することに徹した公演でした。

相手役、スタッフさん、御客さんが居なければ芝居は成立しません。
それぞれに対し信頼があり、それが深ければ深い程、芝居全体が良くなるんだと思います。
今回の公演は、北さんという指揮者の元、全員が一丸となってアンサンブルに取り組んだからこそ、なんとか見せられる所まで辿り着けたのではないでしょうか。

佐々木個人としても、各々のキャストと言い合ったり喧嘩したりしてぶつかり合いました。
結果として得た信頼関係は大きかったですね。
本気で信頼しているからこそ、本気で委ねることができるんです。

公演中は不思議と、緊張も疲れも感じず、リラックスして臨むことができました。
その上でミスも多かったのでそこは反省点です。

共演者が覚醒していく姿を生で見られたのは、刺激になりました。
なんというか、高揚感を覚えました。
僕たちは、良い影響を与え合って、歩んで来れたと自負しています。

ですが、大切なのは、僕たちが、これから先も役者として生きていくということ。
今回得た感覚を忘れず、しっかり反省すべき所は反省して、次のステージに向かいます。

北さん並びに、協力して下さった皆様、本当にありがとうございました!
北さん、いつか共演しましょう!

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山田 智弘

今回の修了公演は常に考えることを学べました。

見ているお客さんが分かりやすい表現方法や台詞の「音」を変えることに苦戦しました。
僕の表現は、自分一人で演技してると言われ、共演出来てないことに気づくのに時間がかかりました。
相手の台詞を聞いていても自分が練習してきたものを提示していると言われた時には、なるほど・・・そうなのか・・・と悔しい半面、発見の連続でした。

また、講師の北さんの言葉は熱意がこもっていて、本心から怒鳴ってくれる優しい人だと思います。その言葉で救われたり、悔しかったり、色んな感情と挑戦する心を育ててくれたことに感謝してます。
演じることの難しさと楽しさを再実感しました!

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林田 雄貴

「呼吸」と「脱力」

今回はこれらの言葉がいかに大切かを感じた公演でした。

講師で演出の北島先生は、稽古場でとても厳しい人で、沢山ボコボコにされました。悔しい日々が続きました。

ですが今となれば、先生の厳しい言葉達が優しさに感じてしまうから不思議です。
その中でも「吸った息を吐き出す量が、その人の思いの量だと思え。」と北島先生に言われた言葉が稽古を通して特に印象に残っています。

個人的にナレーションのシーンもありました。
ラストシーンで流れる大切なナレーションで、失敗は許されない。収録前、胸がすごく痛かったです。

ですが収録の瞬間、1年目の時に講師の岡本先生に教わった「脱力」する事の大切さを思い出し原点回帰しました。

「脱力」する事で、肩の力が抜け「呼吸」が安定。おかげで今まで稽古でやってきた事をしっかり声に乗せる事が出来ました。
ラストシーンのナレーションが印象に残ったというお客様が沢山いた事は、将来の自分への励みになることでしょう。

この2年間、支えてくださった全ての皆様に改めて感謝の気持ちを込めて。
本当にありがとうございました。

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岡部 衿佳

芝居について、役について、本気で悩み考えた修了公演でした。

今まで本気で意見を言い合ったことが無かった私達が、ぶつかり合って怒り泣き笑って。終わる頃には距離も縮まって…って思ってるのは私だけかもしれませんが(笑)

舞台は決して1人じゃ作れません。前のシーンから積み上がったものが爆発して、お客さんの笑いや泣きやたくさんの感情に繋がっていくものだと思っています。

こんな素敵な芝居を作ってくださった、音響、照明、舞台監督さん、そして素敵なマジックをかけて下さった北島先生に、観に来てくれた全ての方に、そして素敵な仲間に、ありがとうございました。

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内田 孝一

北さんは、
パワーがあって、
理論的で、
腹が立って、
真剣で、
優しくて、
とても面白い方でした。

本科の最後に相応しい、いや、北さんしかいないと思いました。

自信がないことが自分の課題だと思ってたのに、北さんは
「お前らは自信過剰だ」
と仰りました。

つまり
「『自分はもっと上手く出来るハズなのに、上手くできない』というのが自信過剰」
だと。

今出来ないのは当たり前。
ただ、それを悲観するのではなく、
その上で、目標地点と照らし合わせ、
今自分はどこにいるのか、
何時までにどこにいたいのか、
その為に今何をすべきなのか、
そう考えることが大切なのだと気づけました。

そして、
続けることの大切さを、SAGに学びました。

その為にも、この先どんなことでも楽しむ!
それが、シンプルで最強の続ける理由です!

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下平 奏恵

私は「終わった」という実感が無い。それは前を向いているのか引きずっているのか、どちらもだと思う。

稽古中私は無意識に安心したがっていた。最初こそ思いっきりみせてやる!と意気込んでいたが、気づけば自分で決めた限界を守っていた。それに先生が気づかないはずもなく「お前は何も変わっとらん」と言われハッとした。そこでやっとどうやったら変われるかを模索したがわからなかった。ただ初めて立ったとき、凄く楽しかったのを思い出し、どう楽しむかを考え出したらアイデアが浮かんできた。

この修了公演で糸口を少し掴んだような気もするが、先生が仰った"お客に提示する"ということをしきれていない。課題はたくさんあるが、突破したいという気持ちでいっぱいだ。

私の二年間に関わって下さったすべての方々に感謝申し上げます。これからも精進致します!

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お忙しい中会場に足を運んでくださり、温かい声援をくださった多くのお客様に、心より御礼申し上げます。

改めまして、演出をしてくださった北島先生、舞台監督としてお越しいただいた劇団ムジカフォンテの松本様、音響照明を担当してくださったスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

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