SAGレポート

声優部基礎科 修了発表会レポート

2012.4.12


3月24日(土)25日(日)。声優部基礎科の修了発表会が行われました。
去年の春に入所してきてあっという間に1年が経ち、ここにきてやっと立てた舞台。
今回の基礎科は、各クラスが2つのチームに分かれて、2つの作品を作り上げました。
週3日レッスンがあるとはいえ、お客様に見てもらう舞台を作り上げるには全然時間が足りなくて焦ったり、いざ舞台に立って見ると稽古の成果は発揮できず、まだまだだなぁと気づき落ち込んだり…。さまざまな思いがあったと思います。

毎回発表会後には、生徒の皆さまに感想をいただいています。
今回は各クラスの一部の生徒の感想を掲載致します。生徒の思いの丈をご覧ください。

生徒コメント

竹中 美月

今回、人生初の舞台に立ちました。わかったことは、1人では何もできないのだということ。
演出家、舞台作り、音響、照明、美術、衣装、製作、役者…たくさんの人間が集まって、1つのものを作り上げていく。その過程を学ぶことができました。
関わって頂いた全ての方に、心から感謝です。ありがとうございました。
もっともっともっともっと!上手くなりたい!!

戸田 久美子

今回の修了発表会で学んだことは、相手に合わせて台詞を受けて、自分の台詞をきちんと相手に届けるという難しさ。それがきちんと出来ていたかなぁと今でもずっと考えています。
そして、感情表現の難しさ。
私が頂いた役は結構セリフをバンバン出す好奇心旺盛な田舎のオバちゃん役(笑)だったので、最初の頃はどうしても台詞が怒っているように聞こえてしまうということでした。自分では怒っているつもりはないのですが、そう見えないようにするのがとても難しい。怒らない怒らない…と意識しすぎるとオバサンぽさがなくなる…自分の中で彼女のキャラクターを掴むまで、結構な時間がかかりました。
結果として、たくさんの方に「いるいる!ああいうオバサン」と言っていただけたのが本当に嬉しかったです。
修了発表会がきっかけで、仲良くなれた方も多く、私にとって本当にプラスになる事ばかりでした。

池田 一哉

初めての舞台、しかもほぼ満員のお客様が観られている中で芝居をする、あがり症の自分は大丈夫なのか?多くの不安を抱え本番が始まりライトを浴びて、一言目のセリフを言った…その途端に今までの緊張は無くなり、楽しさが込み上げてきました。
劇中でも常にテンションを高くそして何より楽しむ事を心掛けて演じました。
そして最後の挨拶、その時にお客様から頂いた多くの拍手に、「芝居ってこんなに気持ちいいんだ」と初めて知り私の修了発表会は終わりました。
来期、私は本科に進みます、次の舞台でも「楽しむ」ことを心掛けお客様の前で精一杯演じられるようこれからも精進して行きます。

井出 佳耶乃

率直な気持ちは「もう1度やりたい」です。
私が演じさせて頂いた役は、ごくごく一般的などこにでもいる女性です。彼女の個性や人格をリアルにしていく過程で、岡本先生に教えていただいた「役の履歴書」を作りました。結婚も出産も経験のない私ですが、家族役の子たちとインプロ(稽古場だけでなく自宅で家族団欒しながら夕食を食べるという試みもしました)を重ねていくうちに母であり妻であり嫁である彼女は私の中で確立されていき演じやすくなっていったように思います。
けれど最後、浩介に想いを伝える場面がどうしても上手くいかず結局不安定なまま本番を迎えることになってしまいました。その事が残念であり、また本番までに仕上げられなかった自分の表現力も含めた力の無さとを思い知りました。
本番に合わせて自分をコントロールする事の難しさや大切さも学び、その時点での自分の能力を最大限に表現できるようになりたいと思いました。
またもう一つ作品では照明をやらせていただいたり、舞台を創りあげる一連の流れを表裏から見て経験し大変さと重要さを知る事が出来ました。
「演劇とは総合芸術だ」
宮澤先生の一番最初のレッスンで、教えていただいた言葉です。修了発表会を通してこの言葉の意味を身に染みて知ることが出来て良かったと思います。
今回経験した全てをこれからの自分の糧にしていきたいです。

樋口 一樹

当たり前ですが、舞台や作品は演者だけでは成り立ちません。 たくさんのスタッフの協力が必要です。
しかし今回、スタッフ軽視や自分が役に集中したいがために一部の人々に負担をかける人間があまりに多かったように思えます。
同様に、スタッフが偉いというわけでもないはずです。同じ基礎科の仲間なのですから。
ふんぞり返って怒るのも時には必要ですが、いつもそれでは人心が離れてしまいます。
などと、芝居もスタッフもどちらもロクにこなせなかった僕が言っても痛いだけですね。
どんなに見苦しくても、これが僕の今の実力です。
認めた上で受け入れません。まだまだこんなもんじゃないです。
落ち込んで反省する時間も大切です、発表会はあくまで階段の一区切りであり屋上ではないことを肝に銘じておけば。
通過点にいつまでも捕われたり、ましてや満足したりはしません。
なんだか暗いですが反省文だからいいのです。
美辞麗句を並べても意味が無く、次回の公演ではこれらを踏まえてより良くしていこうというヤツです。
こんなヤツに振り回されたみんなはきっと迷惑していたでしょう。僕は楽しかったです。

財前 佳世

演技を勉強したい!変わりたい!
そう思って上京した一年前。
演技の「え」の字も知らなかった私が、今回役者として舞台に立ちました。
ただセリフを覚えるだけではいけない。
自分ではなく役として、どうすればいいを考える。
初めての事ばかりで、わからない事も多かった修了発表会。
そんな私を励まし支えてくれたのは、先生や事務局の方々…そして同期生達です。
同期生達との出会いは、本当にかけがえの無いものでした。
皆、お互い同じ目標に向かって努力をしているライバルでもあります。
でも、困った時は助け合って、今回の発表会を作り上げる事ができました。
SAGで過ごした一年間、本当に沢山の事を学ばせて頂きました。
私の努力が足りず、成長は遅いですが…
徐々に変わってきている部分はあると自覚できるようになりました。
その中でも、一番変わったのは「対人関係」だと思います。
私は人見知りで、SAGに来るまではコミュニケーションをとる事が苦手でした。
ですが、一年経った今。
話しすぎてウザイと言われるほどに成長できました(笑
他にも少しずつ変わっている所はあると思いますが、まだまだ成長過程です。
今後二度と同じ間違いは繰り返さないように!
そして、もっともっといい演技ができるように!
努力を惜しまず、頑張っていきたいと思っています。

中島 康平

見にきてくださった方々の反応から言えば、正直それなりのものができたとは思いますし、達成感とか安堵感とか溢れる物もありました。
ただ僕達は本気でプロを目指す集団、満足はしてません。今回の公演なんてプロから見れば100で済まないダメ出しがあると思います。
それでも今回を糧にただ前向きに我武者羅に本気でプロになることだけを考えて前へ前へ前へ進んで行きます!

草野 寛子

立ち稽古が始まった当初、どう動いたらいいのかさっぱり分からず不安ばかりで演出の岡本先生に言われたように動くのに精一杯でした。
稽古を重ねていき台詞は入ったけれども自分のものになっていない・台詞の裏に何もないというダメ出しを頂き、自分はなんて考えが浅いのだろうと恥ずかしく思うこともしばしばありました。
音響・照明も入ったゲネでは、いつもの稽古とは違った空気を肌で感じ、なんとも言えない緊張感で気持ち新たに公開ゲネに向かおうと誓ったはずなのに…。
公開ゲネは最悪の出来でした。自分最低でした。最初つまづくとここまで尾を引くものかと痛感しました。情けないやら悔しいやら後悔ばかり。舞台の怖さを身をもって知りました。

そんな前日の不安を微かに持ちつつも、それは教訓として対策をとり臨んだ本番。始まってからはとにかく全力でやろう!と必死でした。集中できていたのか緊張のせいなのかよく分かりませんが、芝居の最中は次のことは頭になくて今を今をという気持ちで一杯でよく覚えていません。芝居って大変だけど楽しい。もっとやりたい。

小野 隆平

ひとまず終わってよかった~~ってのが率直な感想です。
僕が演じた役は個人的に境遇が似ていて、少なからず思い入れのある役です。ですがこの公演を振り返ってみて、全力でこの役を演じることができたかというと自信を持ってうなずくことはできません。「まぁこんな人間だろ」と勝手に決めつけてました。真摯に役に向き合ってなかったと思います。その結果稽古ではダメだしの嵐でした。
ですがこの公演を通して学んだこともあります。共演者を「しっかり」見て、聞いて、感じる。当たり前のことかもしれませんがとても大切なことです。自分自身もまさかこんな当たり前のことに膨大なエネルギーを使うとは思いませんでした。ですが、このことに少しでも手を抜けば相手に言葉を伝えることは到底無理なことです。課題はたくさんありますが1つ1つを乗り越えて精進したいと思います。

大島真名美

葬式をテーマにした喜劇で台本を見た時は笑いあり涙ありの素敵な話だなと思いました。しかし…稽古が進むうちに、劇を成り立たせるために理不尽なことで怒ったり、不謹慎なことを何とも思っていない風にポンポン言うことが、ウソを言っている様に聞こえない様にするために自分の気持ちをどうやってもっていくかがすごく大変でした。そして本番が近づくにつれて、喜劇なのに誰も笑ってくれなかったらどうしよう、もうこれは喜劇にはならないんじゃないのか?と公開ゲネまですごく不安だったのですが、公開ゲネと当日にお客様が笑ってくれて本当に嬉しかったです。又、この公演では演技をするだけではなく一つの劇が出来るまで音響・照明・大道具がどのように関わっていくのかを学ばせてもらうことが出来ました。

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