SAGレポート

声優部本科中間発表

2013.10.23

10月3日~6日、声優部本科が中間発表を行いました。
初めて挑戦する和物のお芝居。
内容も人を斬ること、時代を生きること、死ぬこと。2時間という長尺。
演じること以外にも所作、殺陣、スタッフワークと、何ともエネルギーが必要な中間発表でした。

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レッスン生感想

今井和香子

台詞の意味が大きく、舞台に出る回数も多く、とても考えさせられた役でした。人を殺すということ、人斬りの名前を背負うこと、考えても答えは出なくて、とにかく大きな声で心の底から台詞を出したら、不思議と役と一体になれていました。

本番を迎えた時には気持ちがグイグイ入っていき、泣きながら殺陣をするという初めての経験をしました。最後の出番を終えた時自分でも引くくらいボロボロに泣いていました。今回の舞台は、不器用ながらも自分の中の本気を100パーセント出し切れた舞台です。

それと同時にスタッフ業もとても大変な演目でした。衣装制作やみんなの役のイメージ衣装を決めたりと思ったよりやることが多くて衣装チームで冷や汗をかくことが多かったです。本番3日前に衣装がまだ仕上がっていないという状況でも責めずに待っていてくれた仲間に感謝です。千秋楽、自分たちの選んだ衣装が舞台に揃って行くのをみて感極まって涙が止まりませんでした。舞台はあまり得意ではありませんが、今回のように全力でぶつかって汗とか涙とかたくさん流した舞台は本当に初めてだったので、この気持ちを忘れずこれからの芝居にもいかしていきたいです。

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鈴木恭子

稽古中、小屋入り、本番と、ものすごい勢いで時間が過ぎて行った中間発表でした。私は今回、女子のみのチームで男役をやりましたが、今回の自分の一番の課題は、とにかくパワー不足。特に私の役は、物語の中エネルギー全開で周りの人やストーリー自体を引っ張っていかなくてはいけないのに、パワーが足りない。悩みました。自分の役を、もっとキラキラした魅力のある人物にみせたい。その勢いとエネルギーで、仲間とお客さんを巻き込んでいく芝居がしたい。その思いで一杯でした。


本番が近づくにつれ、自分が演じられるのもあと少しと思うと、舞台の上で役として生きることが楽しくもあり、寂しくもあり、何とも言えない複雑な気持ちでした。


本番直前、袖で緊張しながらも「色々と悩んだり不安だったことも、自分と仲間達がやってきた事を信じるだけだ!」と腹をくくったら、本番が楽しくて楽しくて・・・!本当に、一緒にやってきた仲間とお客さまに感謝です。

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白鳥徹

中間発表会…一言で言うとただただ前のめりにがむしゃらに走り抜けた舞台でした。


今回の演目は時代背景が幕末であり、演じるためには様々な準備が必要でした。


着物の着こなしから所作・立ち方、歩き方。言葉を発する以前にいつも以上に集中を保たなければいけない。そのための課題であるトレーニング・知識、そして『なぜそう動くのか』という意識など、事前に身につけておくことが多く本番まで気を抜けない毎日でした。


そして時代劇になくてはならない『殺陣』。刀を持つということがどういうことなのか…


人を斬る心構えや覚悟、芝居の中での立ち回りは『振り付け』ではなく『斬る』意識と、お客様の目の前で危険の無いように扱う意識と、それらを同時にやることは本当に難しいことでした。


演出家の佐藤伸之さんのご指導のもと常に高いクオリティを求められましたが、それだけ本気で良いものを作るために、本気で演者の私たちに『プロフェッショナル』としての在り方を学ばせていただきました。


準備不足な部分が多々あったのは否めませんが身を削って取り組んだ分、今の自分の良い部分、悪い部分、これから必要なものが何なのか気づくことができました。本番の芝居でも少しですが確かな手応えを感じることができました。

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古澤雅敏

匿名になることの安らぎを知る。また、孤独を知る。


他者の様に振る舞うことの楽しさを知る。また、狂気を知る。


自分自身がどんな欲望を抱いているかを知る。


長い長い長い数ヶ月でした。目が覚めてから再び眠りに着くまで(何であれば眠っている最中でも)芝居の事を考えている日々は、今までに殆ど無かったと思われます。


少しの所作や怒りの叫び、発したほんの一言すら、「裏が取れていない」、「不出来だった」と自覚することも多々ありました。しかし、それを正していく工程を含め、この芝居に関わる全ての事が、今やとても大切なものになったと思えてなりません。


発表会が終わった今でも、たまに稽古の様子を夢で見ます。

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加藤有華

とにかく濃密であっと言う間の数ヶ月間でした。


演出が厳しいという噂はかねがね聞いており、ある程度覚悟はしていたのですが、やはり現実は予想の範囲を良くも悪くも越えたものでした。


殺陣はもちろん、劇中の時代に沿った立ち居振る舞い、言葉遣い、剣の扱いの作法…


セリフと立ち位置だけでなく、更に覚えるものがこんなにあろうとは!! 本科一同、必死でした。


必死で稽古をする中で感じたのは、私たちはお客様に「伝える」役目を担っているのだということ。当たり前のようなのですが、文字を追い言葉にして表現しようとするとついつい第三者であるお客さんのことを忘れてしまいがちになります(私が)。
お客様ありきの娯楽の舞台、作品。お客様に楽しんでもらうために出来ることは…?


このぽんこつ頭では追いつかないことが多いですが、常に自分に問いかけていこうと改めて思えた、そんな中間発表でした。

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石橋由紀恵

初めての時代劇。もともと、時代劇や古典作品に興味がある私は幕末のお芝居をやると聞いて、子供のようにドキドキ、ワクワクしました。がしかし甘かった!! 物語を知れば知るほど不安がたまっていくばかり。初めて好きなだけじゃダメだと痛感しました。


はっきり言って難しい。独特でユーモアで、でもどこか繊細で切なくて。殺陣も芝居も衣装も全てが難しい! それでも演出家の佐藤さんは役者としてまだまだな私達にこの作品をやらせてくれました。何としても期待に応えたい! そう思いつつも応えられない事が多々ありました。


完全に私達の集中力のなさ、実力不足が原因です。


ヤバイ!ヤバイよ! 間に合わないよ! 本番が後1週間先だったら! 皆でそんな事を言いドタバタしながらついに本番を迎えました。


本番はもちろん課題がたくさん残る内容だったと思います。でもやはり、皆で一つになって作る舞台は何とも言えない!! 面白い!! 表に立っている役者だけじゃ出来ない舞台。今回、裏でどれだけたくさんの人が助けてくれた事か。感謝してもしきれません。


そして何より、この中間発表を通してたくさん、役者として大切な事を学びました。


「芝居はパッション!!」この言葉をこれからも胸に秘め、成長して行きます!

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エネルギーを消耗しても消耗しても、情熱を燃やし続ける本科生。
良いお芝居を作りたい。演じることが好き。ただそれだけで、膨大な時間を演劇に費やす日々。
本科生が松濤にいられる時間も残すところあと半年をきりました。
松濤で得られるもの全てを吸収していってください。迷わず進めるよう応援しています。

最後に、芝居、所作、殺陣、のみならず、裏方の作業、衣装・小道具の協力まで全てに力を注いで頂いた演出・佐藤伸之さん。オフィスパラノイアの皆様。誠にありがとうございました。
また再会した時には、更に良いエネルギーでいられるよう、本科生一同精進していきます。

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